今季J1磐田からJ2札幌へ移籍する元日本代表FW中山雅史(42)が3日、静岡県藤枝市内での「藤枝MYFCドリームカップ」に出場した。静岡・藤枝出身選手でつくられた藤枝ドリームとして、静岡県1部リーグの藤枝MYFCと対戦し、35分ハーフの試合にフル出場。得点こそ奪えなかったが、1-1でPK戦の末6-5で10年初勝利を収めた。終盤には、68年メキシコ五輪得点王の元日本代表FW釜本邦茂(65)と「107歳2トップ」を組むなど、終始会場を沸かせた。

 夢の2トップが実現した。後半25分、藤枝ドリームの監督を務めた釜本氏が背番号「+9」のユニホーム姿でピッチに登場すると、9番のFW中山が歩み寄りピッチ上でがっちり握手。「9+9」は「107歳2トップ」となり、夢のコラボが完成した。約10分間の競演でゴールが生まれることはなかったが、65歳でプロ選手らに囲まれプレーすること自体が驚異。気づかう相手DFを逆手にとって、中山は「釜本さんのマークが必然的に甘くなるので、ボールをあてておいた」と振り返った。

 1-1のまま試合が終了し迎えたPK戦では、中山が「釜本さんはこれしか決められないから蹴っておきなよ」と、2番手キッカーに選出。同氏は「ひどいよね」とつぶやきながら、きっちり左へ決めた。3番手には中山が負けじと左へ蹴り込んで、チームは6-5で勝利。「フレンドリーマッチとはいえ、試合は勝ってなんぼ」(中山)と、10年初白星を喜んだ。

 試合後、ピッチ上で選手代表のあいさつを促された中山は「『中山がんばれチャリティーマッチ』に来ていただいて、ありがとうございます。藤枝で培ってきたものを、これからも生かしていきたい」と、得意のマイクパフォーマンス。札幌入りまで限られた中山の姿を見るため、駆けつけた7100人の観客から笑いをとった。

 中山はこのオフ、藤枝MYFCからも獲得オファーを受けていたが、札幌入りを決断。同クラブの総監督を務める釜本氏からは「現役の最後くらいはMYFCに入って、30分の出場でもいいから出れば、藤枝市民に勇気を与えられる」と、将来的な加入を歓迎された。それでも、2週間後には札幌に合流し、新天地でのプレーが間近に迫っている。「自分自身グラウンドで勝負して、少しずつでもレベルアップして成長していきたい」と、緊張感を漂わせていた。【栗田成芳】