10年札幌の骨格が見えてきた。コンサドーレ札幌熊本キャンプ10日目の22日、石崎信弘監督(51)が中心メンバーを固定する方針を示した。21日のJ1神戸戦に先発した新戦力の近藤祐介、内村圭宏(ともに25)を含む前線の選手と、石川直樹(24)らDFラインの計8人を軸として、チームを仕上げていくことを明言した。24日から開幕までの11日間で、ベースを崩すことなく、完成形へと熟成させていく。

 石崎監督の頭の中で、開幕布陣が少しずつ形になってきた。神戸戦を振り返りながら「メンバーがすべて白紙になることはない。神戸戦のメンバーも(開幕まで)変えないところは変えない」と明言した。3月7日のアウェー鳥栖戦まで残り2週間を切り、核となるべく選手を固定し、仕上げに入る方針を示した。

 指揮官が具体名を挙げたのは新加入のFW近藤と内村、神戸戦で左右のサイドハーフで先発した藤田と古田、センターバックに入った主将の石川と西嶋、左サイドバックの岩沼とGK高原の8人。同戦で実戦復帰したばかりのFWキリノと、左足底筋膜炎で別メニュー調整中のDF趙の復調次第では変更する可能性はあるものの、原則8選手を固定し、そこに肉付けをしていくことになる。

 現時点で最も開幕スタメンに近いのが近藤と内村。2人について石崎監督は「攻撃のところで大きなミスがない。ボールも収まるし、いると良いサッカーになる」と評価する。続けて「近藤は前に張って、内村が自由に動ければいい」と個人で打開できる2人の連係面での上積みも期待した。

 前線とDFの骨格は見えてきた。今後の課題はボランチになる。神戸戦では宮沢と上里を先発で起用も「攻守ともに決めかねる。あそこでボールが奪えないと点も取れない。これから新しい組み合わせを探したい」と同監督から合格点は出なかった。昨季は守備力に優れるダニルソンがいたが、J1名古屋に移籍した今、その後が埋まらない。指揮官は「中盤の底で絶対的に拾える選手がいない。ダニルソンが抜けたのが大きい」と漏らす。神戸戦では新加入の李も試したが「自分が考えるタイプとは少し違うかな」と迷っている段階。攻守のかなめとなる重要な位置だけに、今後、最善の策を模索していく。

 チームは23日は今キャンプ初となる終日オフとし、24日から再始動する。開幕まで12日、残り3つとなったピースを埋めにいく作業が待っている。【永野高輔】