<練習試合:仙台2-0鳥栖>◇2月28日◇佐賀・ベアスタ

 J1仙台FW中原貴之(25)が、開幕スタメンの当確ランプを点灯させた。6日の開幕戦(アウェー磐田)前、最後の実戦となるJ2鳥栖戦で決勝点をゲット。チームを今季の対外試合初勝利(2-0)に導き、4戦3発でキャンプを締めくくった。手倉森誠監督(42)も「先発争いの1番手」と評価し、7季ぶりのJ1開幕戦に送り込む。

 前半ロスタイム、MF富田の縦パスをペナルティーエリアのすぐ外で受け、左足を振り抜いた。少し窮屈な姿勢から放たれた中原のシュートは、DFに当たって弾道を変え、ゴールに吸い込まれた。「ファーストタッチが良ければ、相手にも当たらなかったんだけど」。決勝弾に満足しないのは、充実感の裏返しだ。

 昨季はキャンプ中の練習試合6戦で不発。これが響き、開幕から10試合連続でベンチを外れた。それが今季は、4戦3発のキャンプ得点王。「今すぐ開幕を迎えたいくらい」という状態で、手倉森監督も「長く好調を維持している。先発候補の1番手」と開幕スタメン当確を示唆した。

 スーパーサブ卒業の最終試験をクリア。昨季は先発しても後半戦に足がつったが、昨年の天皇杯でJ1勢との4試合に先発。2得点し「大きな自信を得た」(手倉森監督)。前日27日の山形戦で後半の45分間に出場し、連戦のこの日も88分間プレー。中原は「心身ともに余裕が出てきている」と成長を実感した。

 チームはこの日、計35日間のキャンプを打ち上げて帰仙した。開幕戦はFW中島との「中中」が最有力。あとは開幕ウイークで最終調整するだけだ。【木下淳】