どうしても紅白戦をしたいから、雪かきを手伝ってけろ!

 J1山形小林伸二監督(49)が10日、サポーターに対し、11日午前10時開始予定の紅白戦を行う練習場(山形県天童市)の、除雪への協力を訴えた。この日もスタッフ総出で約3時間かけて行ったが、ピッチの半分を除雪するのがやっとの状況。「フルコートでやりたいことがある」という指揮官は、切実に協力を求めた。

 体から湯気を出しながらスタッフ、サポーター、報道陣の合計22人が、絶え間なくスコップを振り回す。除雪作業を始め、3時間が経過。ピッチ半分の地面が見えたころ、肩で息をしながら小林監督が報道陣に近づいた。

 小林監督

 書いてほしいことがある。11日の10時に(ファンに除雪の手伝いで)集まってって(新聞に)載せて。

 9日午後から降り始め、練習場の積雪は10センチ以上。この日は予定していたメニューを削り、約80分間で練習を終了したが「(紅白戦のある)明日は本当に大事な日なんです」と指揮官。13日の清水戦で今季初勝利を挙げるためにも「短時間で(除雪が)終われば、ほかのことに時間も割ける」と訴えた。

 試合2日前となる11日に、敵地へ入り調整する準備もしたが「試合日前日に移動する」という、通常のリズムが崩れるのを嫌い、雪かきを選択した指揮官。この思いを受けたクラブはこの日午後3時に、公式ホームページで練習場の除雪を告知し、また、近隣の公民館に依頼し「雪かき隊」の結成に動いた。

 芝の上で練習できたMF宮沢主将は、選手を代表し「協力してもらってありがたい。雪かきのおかげで結果を出せた、といえるように頑張る」と、この日参加したサポに感謝。さらに、再度の協力を呼びかけた。「何かできることはないか考えます」(宮沢)というように、協力者への感謝の品も検討中。北国のハンディと戦うチームを、スコップ片手に集結するファンが支える-。雪をも溶かす熱い思いが、今季初勝利に導くはずだ。【山崎安昭】