J1磐田に007騒動!?

 31日にナビスコ杯予選が開幕する。30日、磐田は浦和戦(埼玉=午後7時30分)に備え、大久保グラウンドで前日練習を行ったが、クラブ関係者が浦和の“スパイ”と思われる人物を目撃。公開練習のためルール違反ではないが、練習後に秘密兵器投入を画策している柳下正明監督(50)に報告が入る一幕があった。

 背中に鋭い視線が突き刺さった。温かく見守るサポーターではない。すべての動きを観察するような怪しい視線。練習終盤、気配を察知した磐田関係者が振り返ると、黒っぽい格好をした見覚えのある男性の顔が見えた。隠れるように茂みの奥へ入っていく姿を確認した同関係者は「浦和の分析担当の人だったと思う。まさかという感じですけど…」と、信じられない様子で話した。

 練習を公開している以上、ルール違反ではない。しかし、ナビスコ杯予選の段階でアウェーの試合前日に、相手の偵察が乗り込んでくるのは異例だ。この日は約30分間の紅白戦が行われ、先発メンバーやセットプレーのキッカーからマークのつき方まで、戦い方が完全に筒抜けだ。しかし、練習後に報告を受けた柳下監督は「何も隠すことはない。メンバーもほとんど変わってないのに、何を見に来たんだろう。メンバー変更?

 ないない。浦和はやっぱりお金があるね」と、動揺することなく話した。

 一方で、結果的に秘策もできた。元U-23日本代表候補FW山崎亮平(21)の今季初めてベンチ入りする。同監督が「山ちゃん(山崎)は連れて行く。チャンスがあれば使いたい」と、明言したもので、出場すれば08年5月以来約1年10カ月ぶり。この日の紅白戦でも終始サブ組に入っており、浦和が偵察していたとしても秘密兵器になる。山崎は「僕はノーマークだと思うので、出れば点を取りたい」とやる気十分。同監督も「見にきたけど、勝って無駄だったと思わせたいね」と、情報戦に屈するつもりはない。【栗田成芳】