<J1:仙台2-1鹿島>◇第5節◇4日◇宮城ス

 J1に再昇格した仙台が、前節首位で今季9戦不敗の王者鹿島を止めた。開始直後のMFフェルナンジーニョ(29)の先制点で勢いに乗り、2-1で勝利を収めた。住友金属鹿島でプレーした、双子の手倉森誠監督と浩ヘッドコーチ(ともに42)、さらにFW平瀬ら鹿島からの移籍組が、古巣のノウハウを生かして波乱を起こした。チームは3位に浮上した。

 昨季J2優勝の仙台が、J1王者に土をつけた。先制点は開始わずか16秒。MF梁のミドル弾がクロスバーを直撃し、そのクリアミスを拾ったMFフェルナンジーニョが右足で決めた。先発した仙台の選手でただ1人、J1で100試合以上の出場経験がある助っ人が、仙台イレブンに自信を吹き込んだ。

 追い風も吹いた。前半15分、相手FWマルキーニョスがDF菅井にひじ打ちして一発退場。数的優位のアドバンテージを得て、後半16分に再びフェルナンジーニョが決めた。来日7年目で日本語も堪能。キャンプ中も積極的に日本人選手と食卓を囲んだ今季加入のブラジル人が、勝利の立役者になった。

 02年に続き、またも昇格年に鹿島を食った。導いたのが「元鹿島」の手倉森兄弟。2人はJリーグ開幕前年の92年に住友金属鹿島から戦力外通告された。手倉森監督はJの舞台に立てず「サッカーなんてやめてやる」と荒れたが「選手でダメなら、指導者として鹿島と対戦したい」と発奮。退団後は、鹿島の鈴木強化部長から「オリベイラは、こう指導してるぞ」など、戦術論を電話で聞いた。そのオリベイラ監督から試合後「いいチームに育てたな」と握手で認められた。元鹿島のFW平瀬も躍進に貢献した。この日は出場しなかったが、08年の加入後、不定期で居残りシュート練習を主催。鹿島時代にジーコから学んだシュート方法やサッカーに取り組む姿勢を伝授した。

 昨季王者に今季10戦目で初黒星をつけた。“本家”を倒しての3位浮上に「若い仙台が王者に勝って自信を得たのは大きい」と手倉森監督。王者のDNAを持つ仙台がJ1を混戦に導いた。【木下淳】