<J1:清水2-1浦和>◇第9節◇1日◇静岡

 J1清水がロスタイムにFWフローデ・ヨンセン(36)のゴールで浦和を突き放し、Jリーグ通算300勝に到達した。リーグ創設以来、18年587試合での大台は鹿島、磐田に次ぐ記録だ。開幕から9戦無敗は05年の1リーグ制導入後では史上初で、がっちり首位をキープした。

 あまりにも劇的なフィナーレに、スタジアムが揺れた。選手たちはピッチで跳びはねた。長谷川健太監督(44)はベンチを飛び出し、何度も拳を突き上げた。スタンドをオレンジ色で埋めた、清水サポーターも総立ちで揺れた。1-1で迎えた後半48分。ロスタイム表示の3分間が終わろうとしているときだった。右サイドのMF兵働からのクロスが、ファーサイドに流れたFWヨンセンに目掛けて放り込まれた。待ってましたとばかりに、ヨンセンがヘディングで浦和ゴールにねじ込んだ。最後の最後で史上3チーム目となる通算300勝が舞い込んできた。

 地元で生まれ、地元に支えられ、地元に愛されて、達成した300勝だった。監督通算80勝も同時に達成した長谷川監督は「クラブ経営が破たんし、一時はつぶれかけたチームがJクラブの中で3チームの記録を達成できた。創設時からチームにかかわらせてもらった一員の代表者として、サポーターのみなさんにお礼を言いたい」と、感慨深げに感謝の言葉を並べた。

 今季の強さを象徴した試合でもあった。決勝点シーンでは、CKのこぼれ球をDF平岡が最後までくらいつきMF兵働にパスを送った。さらに、そのCKはFW永井が激突を恐れず、体を投げ出して獲得した。MF兵働が「平岡がよく粘ってくれた」と話せば、FWヨンセンも「永井がチャンスを作ってくれた」と、仲間をたたえ合った。古巣の浦和サポーターからの大ブーイングを浴びながら、90分間走り抜いたMF小野は「11人だけじゃない。ベンチ入りの18人、チームスタッフも含め、すべての人で勝ち取った勝利」と、誇らしげに話した。

 開幕から、いまだ9戦無敗(6勝3分け)で首位を堅守。好調をキープし、快進撃を続けているが、今はあくまでも通過点に過ぎない。スタンドには「12・4

 アウスタでシャーレを掲げよう」と書かれた横断幕がサポーターから掲示された。リーグ初勝利を記録した93年5月19日から6191日を経て300の勝ち星を積み上げてきた。3番目の到達は、常に上位で戦ってきた証しでもある。なのに…。まだ手にしていない「年間王者」。まだまだ、清水の歩みは止まらない。【為田聡史】