<J1:G大阪3-2浦和>◇第13節◇18日◇万博

 浦和MF阿部勇樹(28)は腰に手を当てたまま、しばらくピッチ上で立ちつくした。試合終了間際に同点に追いつきながら、再び失点。「みんなが動かないと難しい。もったいない点の取られ方をしたが、それが現時点での力」。やり場のない怒りを押し殺した言葉が、選手の思いを代弁していた。

 リーグ中断期間に得点力アップを図り、従来の4-4-2からW杯でも多く採用された4-3-3の攻撃的な布陣へ移行。計7戦のテストマッチで定着したはずだった。だが、この日は前半18分に先制点を奪って以降、前線からプレスを仕掛ける機会が減り、守備陣の負担が増大。DF山田暢のオウンゴールなどで主導権を失った。

 ライバルに2年連続でロスタイム弾を浴び、6位に後退。フィンケ監督は「今日の試合で起きたことは、落ち着いてから振り返りたい」とショックを隠しきれなかった。昨季公式戦8連敗で失速した「鬼門の夏」を乗り切れるのか。不安なリスタートとなった。