<J1:名古屋1-1横浜>◇第23節◇18日◇瑞穂陸

 14年W杯ブラジル大会を目指す若手が、ザックに猛アピールだ!

 日本代表のザッケローニ監督(57)が、名古屋-横浜を視察した。ビザ取得後、事実上の初仕事となった指揮官の目の前で、名古屋MF金崎夢生(21)が同点弾を決め、引き分けた。

 まさに名刺代わりの一撃になった。後半3分。ゴール前に詰めた名古屋MF金崎が、相手DFのクリアミスに反応した。高い浮き球の落ち際を、右ももトラップでコントロールし、そのまま右足ボレーで打ち抜いた。スペースも時間もない中、これしかないという無駄のない動きだった。「イメージ通り。相手のミスをうまく突けたゴールです」。難易度の高いゴールで、深く腰掛けて観戦していたザック監督にも強烈な印象を与えた。

 W杯南アフリカ大会の最終メンバー入りも期待された大器はロンドン五輪世代のエース格としても期待を集めている。日本人には珍しく徹底して縦への突破を挑むタイプで、3トップを採用するとみられるザックジャパンのウイングには適役だ。スピードに加え、小学校時代にフットサルで磨いたテクニックも併せ持つ。勝ち点1を運んだこの日のゴールには、そんな特長が凝縮されていた。

 視察については「そうですか…」と多くを語らなかったが、首位の名古屋で結果を出し続けることが代表定着への近道となる。新指揮官の頭の中にも「カナザキ」と、しっかりインプットされたに違いない。【八反誠】