<J1:川崎F2-0山形>◇第26節◇16日◇等々力

 個人技に勝る川崎Fに、山形が力負けした。立ち上がりこそ積極的に仕掛け、相手を慌てさせた。だが前半わずか2本、90分間通してもシュート数は7本と、押し込まれる時間帯が長い。小林監督が「イージーミス、特にボールを止めるところのミスが多かった」と振り返るように、イレブンの動きが鈍かった。

 FW長谷川は「この試合はある意味、特別な状況だった」と唇をかんだ。チームメートのDF山田が父を亡くし、イレブンは喪章をつけてプレーした。また調整期間中には、職員の逮捕。山田のために-、という思いはチームを一丸に出来たはずだが、信頼回復のために勝たなければ…というプレッシャーは余計だった。小林監督は「あきらめずに攻めてくれたことが、次につながる」と気丈に話す。怖がらず無心で攻め込み、強豪川崎Fを自陣でプレーさせた気迫を失わない限り、残りリーグ8試合を戦い抜ける。【山崎安昭】