<J1:広島1-1磐田>◇第26節◇16日◇広島ビ

 ひねりの効いたボールは、きれいにゴールへと吸い込まれていった。11月3日にナビスコ杯決勝を戦う広島に1点リードを許して迎えた後半13分。磐田FW前田遼一(29)が、MF菅沼の鋭い右クロスを頭で合わせた。前かがみになりながら高さを合わせると、首と体をひねって流し込んだ。そのまま同点で終え、敵地で貴重な勝ち点をもたらし「途中からチームのリズムに乗ることができた。(菅沼)実がいいボールをくれた」と喜んだ。

 少し遅れた「代表復帰弾」だった。9月30日、約1年ぶりに日本代表に復帰した。アルゼンチン戦(8日)では途中出場し、韓国戦(12日)ではフル出場した。しかし、ゴールを奪えずに帰国すると「全試合で点を取るようにしたい」と誓いを立てていた。その言葉通り、新生日本代表を率いるザッケローニ監督が視察で見守る中で、FWとしての役割をきっちりとやってのけた。

 何よりも盟友のために、負けるわけにはいかなかった。韓国戦で先発したDF駒野が、前半10分すぎに競り合いで右腕を強打。右上腕部骨骨折の重傷で今季絶望となった。ともに副主将として磐田を支えてきた仲間の離脱。「コマの分まで頑張りたい」という思いを胸に秘めて臨んだ一戦だ。気持ちとともにねじ込んだゴールだった。

 この日のゴールで今季13得点とし、得点ランクでは2位のままだが首位とは1差で猛追を続けている。前人未到の2年連続得点王まで、ひたすら突っ走るだけだ。【栗田成芳】