清水の長谷川健太監督(45)が今季終了後に退任することが1日、正式発表された。普段通り三保グラウンドで練習の指揮を執った指揮官は、無念の胸中を明かしながらリーグ戦3位以上に与えられるACL出場権と16強に残る天皇杯獲得を誓う気丈さをみせた。また、構想から外れ、今季限りの退団が決まっている“清水一筋”のMF伊東輝悦(36)とDF市川大祐(30)が複雑な胸中を明かしながら現役続行を希望した。

 感謝と充実感に無念さが入り交じっていた。退任が明らかになった翌日の練習後、通常の何倍もの報道陣に囲まれた長谷川監督が、落ち着いた表情で口を開いた。「私の決断じゃなくて会社の判断です。(10月10日の)ナビスコ杯準決勝の広島戦の試合後に、クラブハウスに呼ばれて社長から告げられた」。今季を最後に契約を更新しないことを告げられた日のことを、淡々と明かした。

 新人監督として“故郷”に復帰してから6年間の長期政権で残留争いは就任1年目の05年だけ。その後は、着実にチーム力を押し上げた。05年度の天皇杯、08年のナビスコ杯では決勝に進出し「頂点」まで、あと1歩に迫った。昨季と今季はリーグ戦で一時優勝争い。「優勝させるという思いだった。そこが成しえなかったのが残念」と、しながら「ここまで愛されるクラブになった。振り返ると6年間は短く感じる。充実した時間を過ごせて幸せだった」と、感謝した。

 ただ、この日がすべての終わりではない。リーグは残り6戦、16強に進出している天皇杯と日程は残っている。「(リーグ戦は)2位と勝ち点差4で、まだ十分にACL出場の権利を狙える。(天皇杯は)最後の大会なんですべてをかけてタイトルを取りたい」。長谷川体制の最終章がスタートする。【為田聡史】