4季ぶりの王座奪回を逃した浦和が、来季新監督候補の選定に着手していることが2日、分かった。就任2年目の今季で契約満了となるフォルカー・フィンケ監督(62)の退任を基本線に、W杯南アフリカ大会で日本代表を率いた岡田武史氏(54)ら複数の候補者をリストアップ。橋本社長と柱谷GMが中心となって、各指導者のサッカー観や条件面などを調査しており、適任者と判断した場合は、正式オファーを出す。

 フィンケ監督が就任した昨季、カウンター重視の戦術から、ボールと人が連動するパスサッカーに変更。FW原口やMF山田直ら若手選手の育成による世代交代も進めたが、夏場の公式戦8連敗で失速して6位に終わった。来季アジアチャンピオンズリーグ出場圏内の3位以上を目標とした今季も現在10位と低迷。柱谷GMは「サッカーのスタイルは継続する。選手を育てながら勝つ。来季は優勝を争えるチームにしたい」という。DF闘莉王らスター選手の移籍と戦績不振が重なり、観客動員も大幅減少。この2年間で新たなベースを築いた手腕を評価しつつ、来季は育成と結果を両立するために、現場の体制一新を視野に動いている。

 この日、さいたま市内のクラブハウスで柱谷GM、フィンケ監督と3者会談を行った橋本社長は、来季の体制について「まだ決めていない。11月末までに判断する」と話すにとどめた。複数の関係者によると一時は、広島で来季続投のペトロビッチ監督も候補に挙がっていたという。今後は清水の長谷川監督ら、今季限りで退任する他クラブの監督も候補リストに加わる可能性が出てきた。