「古巣撃破」に燃えていた男に、戦線離脱の可能性が出てきた。山形は3日、鹿島とのリーグ最終戦(4日午後3時半=NDスタ)を想定しての非公開練習を天童市内で行ったが、ピッチ上にMF増田誓志(25)の姿はなかった。右足の太もも裏を痛めていたもよう。回復具合を見て鹿島戦への出場を決める。小林監督は「昨日やってみたけど、クエスチョンのつく(疑問の残る)状態。(以前から)アントラーズ戦に出たい気持ちは強かったと思う」と増田を気遣った。

 何としても出たい-。前日2日の発言には、増田の並々ならぬ思いがこもっていた。「最後が凡戦にならなくていい。成長した姿を見せる」。普段は弱気な発言の多い男が、珍しく冗舌だった。今季、FW田代とともにレンタル移籍で鹿島から加入。中盤の要に成長した。FKやCKはDF石川の「専売特許」だったが、最近では増田も積極的に立候補。自信が芽生えた証拠だった。それだけに何とも痛い故障。出場か回避か、厳しい状況となった。【湯浅知彦】