第89回全国高校サッカー選手権に出場する静岡学園の練習に5日、OBで来季J2北九州の監督に就任する三浦泰年氏(45)が視察に訪れた。スタンドから最後まで熱い視線を送り続け、練習後には、選手全員を前に激励の言葉を送った。三浦氏は来季5年ぶりのJの舞台へ、初めて指揮官として復帰する。楽しそうに「静学サッカー」に取り組む姿に、刺激を受けていた。

 前日、清水のリーグ最終戦を解説後、三浦氏はそのまま静岡に残り全国大会に向け調整する母校の練習に訪れた。草薙球技場で午後1時に始まった練習を終了するまでの約2時間、スタンドから見守った。練習後には、全員を前に激励の言葉を送った。少し照れくさそうな三浦氏は「技術を大事にした練習は僕たちの頃と変わらない。伝統も受け継がれている。選手権を目標に3年間やってきただろうし、いい選手権にしてもらいたいですね。いい選手もいるし、このまま北九州に連れて帰ろうかな?」と高校時代を思い出しながら、冗談交じりで話した。

 11月末、来季のJ2北九州監督就任が発表された。05年に務めた神戸のコーチ以来5年ぶりのJリーグで、初めて監督を任された。選手としても12年間戦い続けた舞台への復帰に自然と思いも強くなる。「Jリーグには、いろいろと育ててもらいました。そういう舞台に戻るということは、すごく身が引き締まる。選手の時とは違って、僕自身がボールを蹴るわけではないので、マネジメント力を発揮していきたい」と決意を口にした。

 北九州は今季からJ2へ参戦し、1勝12分け23敗の最下位と大苦戦した。「低迷と言われているけど、まだ始まったばかりのチームだと思う。ただ、そういうチームを動かしていくのは、大きな力が必要になる。今まで経験したことをすべて注ぐ気持ちでいます」。

 大きな節目を前に、後輩たちが笑顔でボール追い掛ける姿は、何よりの刺激になった。「アイデアを出し合って、本当に楽しそうにやっている。そういったサッカーの原点を僕も見つめ直すことができた」と笑顔で帰路に就いた。「北九州に連れて帰ろうかな?」は、案外本音だったのかもしれない。【前田和哉】