Jリーグが、FIFA(国際サッカー連盟)に、J1、J2の八百長監視を依頼していることが12日、分かった。J3構想が本格化した11年度からすでに監視を実施しており、来季からはJ3も依頼する。八百長問題は世界のサッカー界の悩みの種。アジアでも中国、韓国などでは処分者が出ている。Jはクリーンなリーグとして知られているが、J3の創設で危険性が増すと予測し今後、教育、監視を徹底していく。

 八百長は許さない。サッカー普及を目指すJは、来季からのJ3スタートで、理想に1歩近づいた。だが、逆に八百長の危険性が増したのも事実だ。アマチュア選手を多く抱えるJ3クラブは、周囲の誘惑にさらされる危険性が、J1、J2より高い。J3もtoto(スポーツ振興くじ)の対象になるため、仮に八百長疑惑がかけられた場合、J1、J2クラブにまで経営面の打撃を与える可能性があり、日本サッカー全体のダメージも大きくなる。

 関係者は「J3は給料も少ないし、生活も苦しい。10万円くらいで買収される選手が出てもおかしくない」と話す。Jも、その危険性は十分認識しており、八百長防止担当者は「地元警察に協力してもらい、シーズン前には十分教育していく。FIFAにも監視の依頼をしているし、報告がきたら、ただちに調査に入るシステムは整えている」と話した。

 そのため、J3構想が本格化した11年から、FIFA傘下の八百長監視会社・EWS社と契約し、監視を依頼した。同社は世界中に点在するオッズ・サイト約3000社と契約し、各リーグ、各試合のオッズの変動などを調査する会社。たとえば、急に人気のないクラブのオッズが高くなったりすると、依頼主に報告し、調査させるシステムだ。

 現在、J3加入に興味を示すアマチュアクラブは約30チームある。日本全土にJクラブ普及を目指すJとしては、多くのクラブを仲間に迎え入れたいが、経営面など自立できるクラブを優先に、10~12チームでスタートさせる予定。当然、八百長の教育ができて、しっかり管理できるクラブが対象となる。身近なところで、Kリーグ(韓国)、Cリーグ(中国)では八百長問題が発覚している。国内でも11年に大相撲の八百長騒動が大問題となった。Jがクリーンなまま、発展できるか。八百長防止が、その鍵を握る。