磐田は17日、滋賀・布引グリーンスタジアムでJ2京都と練習試合を行い、2-5で敗れた。FW前田遼一(29)が前半にDF駒野友一(29)のクロスを頭で合わせて先制。後半にも右足で得点するなど、開幕前に調子を落としていたエースがリーグ再開(24日新潟戦=東北電ス)に照準を合わせてきた。チームは大量失点した守備陣の課題が浮き彫りになった。

 ゴールに飢えていた不動のエースがほえた。前半26分、右サイドを深くえぐった駒野から山なりのクロスが上がると、相手DFの背後から勢いよく飛び込み、ドンピシャで合わせた。強烈なヘディングシュートでネットを揺らすと雄たけびを上げてガッツポーズ。練習試合にもかかわらず、手をたたいて喜びを表現した。練習試合3戦ぶりの得点に前田は「いいボールを上げてくれたので」と控えめだったが、会心のゴールに思わず感情が爆発した。

 チームは前半に逆転される悪い流れ。それでも、前田は後半開始早々にゴール前で絶妙なポストプレーを見せて好機を演出。その後はピッチを走り回りチャンスを待っていた。すると、同25分、途中出場のFW金園が落としたボールを右足で押し込み加点。大敗ムードの中、エースとしての意地を見せた。

 3月の開幕前はアジア杯の疲れが抜けきれず、本来の調子ではなかった。リーグ中断中に立て直しを図ったが、日本代表として参加した3月29日の東日本大震災チャリティーマッチ以降、一段とキレを増していった。柳下正明監督(51)も「目つきが違う。代表に行って何か刺激を受けたんじゃないのか。今まで以上に強い気持ちを持ってやっている気がする」と話していた。Jリーグ2年連続得点王になり、相手からは執拗(しつよう)にマークされる。得点できない時期が続いたが、再開前、最後の練習試合で2得点。柳下監督は「これで乗ってくるんじゃない」と目を細めた。

 それでも前田は大敗に「チームとして同じ考えを持って守備をしなければならない。次は勝てるように頑張ります」と反省を口にした。いよいよJリーグが再開する。名門復活を目指す戦いは、同時にエースが史上初の3年連続得点王に挑む戦いでもある。【神谷亮磨】