<J2:京都2-0大分>◇第16節◇12日◇西京極

 京都の高校生FW久保裕也(17)がホーム大分戦で2ゴールを決め、チームの連敗を「3」で止めた。17歳5カ月19日での1試合2得点は昨年9月23日、東京VのMF高木善朗(18)が徳島戦でマークした17歳9カ月14日を塗り替えJ2最年少記録。京都が今季挙げた全8得点中、久保が5点をマーク。スーパー高校生の出現に大木武監督(49)も「ゴールのにおいを嗅ぎ取れる選手」と絶賛した。

 生まれながらに持ち合わせているゴールへの嗅覚が、久保を前へ前へと押し進めた。まずは前半7分。FW中山がゴール前に上げたクロスを右足で合わせ先制点。さらに前半終了間際、今度は相手GKの上をふわり抜ける技ありシュートで2点目。チームの連敗も「3」で止めた。

 この日の2発で計5得点。9試合に出場し5得点は堂々の数字だ。しかもJ2での1試合2得点最年少記録を更新し「ハットトリックも狙ってたんですが。あんまり調子に乗ったらダメなんで。ま、次頑張ります」と舌も絶好調だ。

 チーム事情は決して良くない。エースFW宮吉をケガで欠き、この試合前までわずか1勝。前節アウェー鳥取戦では久保がゴールを決めながら1-2で敗戦し3連敗を喫した。サポーターからの厳しいヤジに思わず悔し涙を見せた17歳。その悔しさをこの日、晴らしてみせた。

 低迷するチームに輝きを放つ高校3年生。再建を託された大木監督も「ゴールのにおいを嗅ぎ取れる選手」と期待を寄せている。【土谷美樹】