<J2:札幌3-1愛媛>◇第20節◇9日◇札幌厚別
横野が救った!
J2札幌は愛媛を破り、今季初の逆転勝利を飾った。前半9分に失点も、同32分にFW内村圭宏(26)の今季初ゴールで追いつき、後半37分には途中出場のFW横野純貴(21)が決勝点を決め4戦ぶり白星を呼び込んだ。横野は同43分にもダメ押しの3点目を決め、最近5戦4発の荒稼ぎ。札幌が道産子ニュースターの爆発で、勝ち点を22に伸ばした。
もう誰も横野を止められない。浅黒く日焼けしたイケメンが、背番号24がハンターと化した。まずは1-1の同点で迎えた後半37分だ。MF宮沢の縦パスを受けると、一瞬でDFを振り切り左足を振り抜いた。「DFがきていた。あそこはダイレクトじゃないと間に合わない」。これでストライカーの本能が目覚めた。
同43分には、ゴール前のこぼれた球を右足ボレーで、豪快にピッチにたたきつけた。「高いボールはバウンドさせた方がGKの視野を動かせるから」。これはJ最多157得点のゴンから学んだもの。師匠ばりの1発で、ホームでは5月29日岡山戦以来41日ぶりの白星をチームに呼び込んだ。
“しかられ王子”が、またもやらかした。交代直前にベンチ裏で呼び出されると、他の控え選手1人1人と念入りにハイタッチ。無駄な“ワンプレー”に石崎監督は「はよーせぇよ!」と激怒した。実は2日の栃木戦では同点弾を決めた後、喜びすぎて時間をロス。試合後に指揮官に怒られていた。「またやってしまった。でも、あれでスイッチが入った」。出場前の一喝がプラスに働いた。
遅咲きの4年目ストライカーが徐々に脱皮を図ろうとしている。6月19日岐阜戦で初得点してから5戦4発と絶好調だ。「去年までは試合に入るときにミスをしないようにということばかり考えていた。初ゴールしてからは、どう点を取るかということに集中できるようになった」。出場11分での2発に指揮官も「横野、宮沢ら途中で出た選手がいい仕事をしてくれた」と目を細めた。
スタンド観戦した母一美さん(53)と祖母敏子さん(80)の前で決めた初のホームでの1発。プロ初得点のときはインタビューで思わず涙を流してしまった。「今日は泣かないと決めていたんで。もっと点を取って札幌のエースストライカーになりたい」。さわやかな笑顔が、成長の証しだ。【永野高輔】



