<J1:清水3-3C大阪>◇第22節◇20日◇アウスタ

 絶対にあきらめない。絶対に負けない。清水FW高原直泰(32)が後半44分に放った同点ゴールがスタンドに招待した岩手県山田町の中、高生に送る最高のメッセージだった。前半、MF小野伸二(31)のゴールで先制したが、後半に逆転された。一時はFW高木俊幸(20)のJ1初ゴールで追いつきながら、再び突き放された。敗色濃厚の中、高原の約束のゴールが飛び出した。

 小野がゴール前を陣取った。「最初のチャンスを決められるか。試合の流れは、それで決まる」。前半8分、FW大前のアーリークロスに体を投げ出した。相手DFと競り合いながら強引に頭で合わせた。Jリーグでは浦和時代の06年8月以来、6年ぶりの2戦連発弾で先制点をぶち込んだ。

 この日はアウスタに大事な招待客が来場していた。アウェー仙台戦翌日の7月14日に被災地の岩手県山田町をゴトビ監督、FW高原と3人で訪問。その時に交流したサッカー部部員と父母約50人が現地からバスで片道約15時間をかけて生観戦していた。招待した高原とともに「僕たちも、みなさんに負けないようにサッカー選手として精いっぱい、頑張ります」と、誓い合った“仲間”に最高の笑顔をプレゼントした。

 小野の先制点でチームも安定感のある戦いを披露した。新外国人のDFヨンアピンもボランチで先発出場し相手の攻撃の芽を摘んだ。

 しかし、試合は終盤に入りもつれた。後半31分、同32分とまさかの連続失点で勝ち越される。同35分、FW高木が決めたが、同42分に、再び勝ち越され、絶体絶命のピンチに追い込まれた。しかし、しかし、しかし。同44分、FW大前のクロスに今度は高原が頭で合わせ再び同点。3得点3失点は、選手にも山田町の少年たちにも思い出に残る乱打戦になった。