<天皇杯:横浜3-1カマタマーレ讃岐>◇12日◇2回戦◇ニッパ球

 49日ぶりの復帰戦となったMF中村俊輔(33)が横浜の敗戦危機を救った。3部リーグに相当するJFL(日本フットボールリーグ)所属のカマタマーレ讃岐に、後半33分に先制点を許すまさかの展開。直後の34分に途中出場し、ケガを負った8月24日のリーグ戦C大阪戦以来のピッチに立つと、2点に絡む活躍で逆転勝利に導いた。

 頼れる主将が窮地にピッチに帰ってきた。残りはロスタイムを入れても10分強。大物食いを許すわけにはいかない。「味方のプレーに自信がつくように。そういうプレーを心掛けた」。中村は期した。欠場中にチームは公式戦4連敗中。格下相手に敗戦すれば、さらに迷走は続く。「これ以上は負けられない」と中盤で攻撃のリズムを作り出した。同41分にMF兵藤のゴールで同点。そして同43分には左クロスで起点となり、MF谷口の逆転弾を生んだ。さらにロスタイムのFW大黒の得点も演出した。

 8月に負った左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷からの回復が長引いた。この日も試合後は、痛そうに足をかばいながら帰路についた。それでも木村監督が「リズムを変えてくれたのはさすが」と称賛するように、リーグ終盤戦で優勝へ巻き返すには欠かせない。「結果的に勝てたのがいまのチームの一番の薬」と話す主将の姿は頼もしかった。