<J2:札幌3-0熊本>◇第33節◇30日◇札幌厚別

 豪快竜二1号で連続完封勝利!

 J2札幌が熊本に大勝した。前半13分に主将のMF河合竜二(33)が約25メートルの強烈なミドルシュートで移籍後初ゴール。後半25分にはMF近藤祐介(26)、同ロスタイムにMF岡本賢明(23)が得点して突き放した。ホームでは9月21日の東京V戦(札幌ドーム)以来39日ぶりの白星。2連勝で勝ち点を59に伸ばし、昇格圏3位をキープした。

 昇格への熱い思いを乗せた1発だった。0-0の前半13分、MF宮沢からのパスを受けると、河合は迷わず右足を振り抜いた。「立ち上がりだったし狙っていこうと。ボールに気持ちを込めた」。30センチの巨大な足から放たれたボールは、一瞬でゴール左上に突き刺さる貴重な先制弾となった。

 横浜時代の昨年8月21日京都戦以来、14カ月ぶりの得点。両手でさりげなくガッツポーズ。照れくさそうに舌を出し喜ぶとDF山下の歓喜のタックルをがっちり胸で受け止めた。「みんな入ると思ってなかったでしょう?」とニヤリ。石崎監督も「竜二にあんなシュートがあるとは…」と意外な飛び道具に驚いた。

 熱くてちゃめっ気たっぷりの人情派キャプテンだ。引き分けに終わった7月2日の栃木戦後、心ない男性ファンに「お前なんて代わってしまえ」とやじられ、ぶち切れた。「降りてこいよっ!」。一触即発のムードは、スタッフが制し事なきを得たが、その後、控室で話し合い和解した。相手は「オレのやじに食ってかかるような骨のあるやつは初めて見た。うれしかった」と1度でファンになった。

 3戦連続零敗に終わった22日の鳥取戦直後は、GK李のプレーに激高した。猛烈な勢いに李はショックを受けたが、宿舎に戻って河合から声をかけた。「ごめんな…さっきは言い過ぎちゃったよ」。李は「あれは僕に期待してくれているからなんですよ」と振り返った。おこりっぽくて、それでいて優しい。そんな熱血アニキの1発に結束はさらに固まった。

 スタンド前ではグランドコートの胸のエンブレムを4回たたきサポーターに告げた。「みんなの力を合わせてJ1へ行こうぜっ!」。10月連勝締めなら昇格率100%だ。守備でも奮闘し2戦連続完封勝利。沈んでもはい上がってくる。この勢いは本物だ。【永野高輔】