<J2:草津2-1札幌>◇第36節◇20日◇正田スタ
悪夢2失点で崖っぷち-。J2札幌は草津に敗れた。後半10分にMF内村圭宏(27)のゴールで先制も、同45分とロスタイムにFKから連続失点し、今季初の逆転負けを喫した。勝ち点は62のままで、2試合を残し、昇格ラインの3位徳島とは勝ち点3差。札幌は26日の次節湘南戦(平塚)に敗れ、2、3位の直接対決となる27日の鳥栖-徳島戦が引き分けに終わると、J1昇格の可能性が消滅する。
上州名物の空っ風に勝ち点が吹き飛ばされた。1点ビハインドのロスタイム4分、DF岩沼からのFKをFW上原がゴール前で頭で合わせるも、シュートはGK正面に。何度もピンチを救ってきた“ちゅらヘッド”でも、わずかに及ばなかった。終了の瞬間、DF高木純はあおむけになって倒れ、地面を何度もたたいた。1点目を止められなかった高校生DF奈良は、涙を流して悔しがった。
これが昇格争いの重圧だ。1-0とリードで迎えた後半45分、中央でのFKを草津DF中村に頭で押し込まれ同点にされた。「簡単にペナルティーエリアの近くでファウルを犯したことと、セットプレーでの対応の甘さが出た」と石崎監督。同ロスタイム2分、右からのFKが、草津FWアレックスの前に転がった。足が止まった。いつものように体を投げ出す選手はなくフリーで走り込まれ、あっさり逆転を許した。目の前の勝ち点3が2分でゼロに変わった。
終盤になるにしたがって勢いを増した正田スタジアム特有の北風にもてこずり、MF砂川は「風上のときにもっと点を取れていれば、こんなことにはならなかった」と猛省した。
厳しい立場だが、まだチャンスはある。試合後は石崎監督が、監督会見開始時間を約10分遅らせて選手に異例のゲキを飛ばした。「下を向いても仕方がない。2位の鳥栖が負けた。まだ運は残っているということ。可能性はある。気持ちを切り替えて次の試合に集中しよう」。とにかく次節湘南戦では、勝ち点を1点でも多く積み上げ、最終節決戦に望みをつなぐ。
前節大分戦まで16戦全勝だった先制神話も崩れた。あとは気力の勝負だ。10月22日の鳥取戦で3連敗した後、選手間ミーティングで誓い合った。「ここまできたら思いきって楽しもう。悔いが残らないようやろうじゃないか」。まだ戦いは終わっていない。札幌は最後の1秒までベストを尽くす。【永野高輔】



