4月はキリノにお任せ!

 札幌は今日4日、ニッパツ三ツ沢球技場でナビスコ杯横浜戦に挑む。FWキリノ(27)は、20日の同杯新潟戦以来公式戦3試合ぶりの先発が濃厚だ。日本での公式戦全22得点のうち、4月は月別ゴール数最多タイの4ゴール。攻撃陣は今季公式戦5戦2得点とJ1ワーストタイに低迷しているだけに、助っ人の今季1号で勢いづける。

 さあ、キリノの季節到来だ。札幌・宮の沢での3日のミニゲームでは、ジャンピングボレーでゴールを狙うなど、体のキレはばっちり。「なんとかチームが勝てるように結果を出したいよ」と今季初ゴールを宣言した。ここまで公式戦全5試合に出場。計172分無得点も決定機はつくってきた。石崎監督も「キリノも大島もチャンスはある。早く得点の形を見せてほしい」と期待した。

 桜前線が北上する4月、キリノのバイオグラフも一気に好調期に入る。自身最多19得点を挙げた09年は、4月に5戦4発と固め打ちした。ブラジル生まれだけに「寒いのは苦手だね。4月になれば暖かくなる。そうすれば体も動く。おれの出番さ」と意気込んだ。同年4月15日の草津戦では、1-1の後半12分に鮮やかなジャンピングボレーを決め勝利をもたらした。今度も同じ敵地での午後7時半キックオフ。背番号19が春の夜空に舞う。

 リーグ4戦はすべてベンチスタートも、モチベーションは常に高く維持してきた。9月に、エドゥアルダ夫人(29)が長女エロアちゃん(2)に続く第2子を出産する予定。男の子の可能性が高く、将来はサッカー選手にと、早くも夢がふくらんでいる。「息子はスペインで大活躍するんだ。その前にオレが日本で、もう1度ブレークしないと」。日本では10年5月16日のJ2大分戦以来2年ぶりとなる得点を決め、再爆発につなげる心づもりだ。

 札幌はニッパツ三ツ沢球技場(旧称三ツ沢)で過去、10戦して3勝。苦手なピッチだが、横浜から唯一、勝利を収めた97年ナビスコ杯ではバルデス、09年のJ2横浜FC戦はクライトンのゴールで勝った。ニッパ球+助っ人弾=勝利。今度はオレが-。キリノは乗り気だ。【永野高輔】

 ◆札幌のニッパツ三ツ沢球技場(旧称三ツ沢)での戦績

 公式戦通算10試合で3勝1分け6敗(1PK負け)。最初の試合は97年3月19日ナビスコ杯横浜戦でバルデスと後藤の2得点で3-2勝利。前回対戦は09年4月26日のJ2横浜FC戦で、前半19分にDF西嶋が退場し数的不利となるも、後半3分のクライトンの得点を守り抜き1-0と勝利している。