<J1:柏2-3仙台>◇第6節◇14日◇柏

 仙台が昨季王者との壮絶な打ち合いを制した。前半2分にDF菅井直樹(27)のドンピシャヘッドで先制すると、後半11分にはMF関口訓充(26)が2試合連続ゴール。最後はFW赤嶺真吾(28)が右足でたたき込み、粘る柏にとどめを刺した。リーグトップを走る得点力でアウェー柏戦初勝利を挙げ、開幕から6戦負けなし。ガッチリと首位をキープした。

 関口が、やっとゴール&勝利のダブル快感を味わった。ミスが絡んでの2試合連続2失点に「今日みたく勝てればいいけど、こういう試合をしていると引き分けとかも出てくる」と反省が口をついたが、うれしくないはずはない。10年8月以来の2戦連発に、J1通算4点目で初めて白星がついてきたのだから。

 後半10分、柏MFレアンドロのFK弾で同点に追いつかれた。主審の笛が聞こえなかったGK林が指示を出している間の出来事。嫌なムードを、1分たたないうちに振り払った。2列目からの加速で、FWウイルソンが上げたクロスのこぼれ球に誰よりも早く到達。右足で蹴り込んだ。本人は「中に入ることだけを考えてプレーしていた。DFを引きつけてくれたウイルソンに感謝したい」と助っ人を持ち上げたが、手倉森監督は「チームがもう少し(ミスを)引きずっていたら柏のパワーが増していた。大きなゴールだった」と関口をたたえた。

 前節に615日ぶりの得点を挙げたばかり。昨季無得点の屈辱を取り返すかのような暴れぶりだ。手倉森監督は「去年からまず髪の毛の色が(茶から黒に)変わった」と冗談めかした後で「筋力を増やして当たり負けしない体をつくった」と好調の要因を分析。関口自身「1日おきに上半身と下半身の筋トレをやって、今年のオフはプロに入って一番追い込んだ」と話す。04年の仙台入団時62キロだった体重は現在67キロ。04年に一緒にプレーし、今季からコーチとして仙台に戻ってきた原崎コーチが「昔とは全然違う」と驚いたほどたくましくなっている。

 “屈強な”170センチの体で柏の五輪代表候補DF酒井とのマッチアップも制し、目標の日本代表復帰の夢は膨らむ。しかし、関口は「2試合取れたから代表にいけるわけでもない」とクールだった。サッカー選手として、ピッチ内外でもっとできるという思いが強い。9日には復興支援活動の一環として名取市内の公民館を訪問しており「勇気を与えられる勝利になったんじゃないかな」と、最後は遠くを見つめていた。【亀山泰宏】