<ACL:全北現代0-2柏>◇1次リーグH組最終戦◇15日◇韓国

 柏がアウェーで全北現代(韓国)を破り、決勝トーナメント(T)進出を決めた。広州恒大(中国)と勝ち点10で並んだが、直接対決で1分け1敗のため2位通過となった。後半4分、柏MFレアンドロ・ドミンゲス(28)のゴールで先制すると、同18分にはFW田中順也(24)がこぼれ球を押し込んだ。決勝T1回戦は29、30日に行われる。

 柏がJ1王者の意地を見せた。勝利のみが1次リーグ突破条件だった。アウェーで韓国Kリーグ王者相手という厳しい状況を打破したのは、昨季優勝をつかみとった守備力の復活だった。「失点しなければ勝てるチーム」とDF酒井も笑った。

 左足首痛を抱えながらも奮闘したDF近藤の統率力が支えた。ダブルボランチと連動し、パスカットを連発。屈強な相手FW陣を気迫ではね返す強さも見せた。ACLのアウェーはここまで2戦とも3失点で負けた。今季リーグ戦でもワースト2位の18失点。14位と低迷する要因を払拭(ふっしょく)した。

 今遠征は9泊10日のアウェー3連戦。「3つ勝って、昨年を思い出すきっかけにしたい」と近藤は出発した。遠征初日の11日夜にはネルシーニョ監督の発案で、守備に特化した30分ミーティングで結束。12日の川崎F戦完封が自信を呼び戻した。

 守備のリズムは攻撃にも波及。MFレアンドロ、FW田中と、取るべき両エースが得点した。ネルシーニョ監督も「最後まで守備の組織が崩れず、攻撃も良いタイミングで点をとれた。自信と経験をまた1つ積み上げたのは間違いない」と選手を称賛した。ACL初挑戦でつかんだ決勝T。敵地での連続完封勝利は、忘れかけていた勝ち方を思い出させる貴重な1勝となった。