苦い思い出を払拭(ふっしょく)した。J2山形MF川島大地(25)が15日、天童市内で行った仙台大との練習試合(45分×2本)にフル出場し、2得点を挙げた。1本目の32分、ペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。キッカーに名乗り出ると、相手GKが反応しても取れないギリギリのコースを狙った。鋭いライナーがゴール左に突き刺さり、3-2と勝ち越しに成功。「“あれから”PKは練習してたんで」と涼しい表情で振り返った。

 思い浮かべたのは昨年8月24日の清水戦だった。1-1で迎えた後半44分にDF村松に倒され、PKを得た。そのままGK山本海と対峙(たいじ)。この日と全く同じ状況だった。だがシュートは完璧に読まれ、決勝点を逃した。「でも今日は外す気がしなかった。試合でも任せてもらえるようなキックだった」。苦手意識は、いつしか公式戦での得点イメージに切り替わっていた。

 2分後には左サイドから内に切れ込むカットインで相手を抜き去り、2点目を決めた。「もっと取れるチャンスはあったけど、得点が一番のアピールになると思っていた。相手は大学生。これくらいはやれないと」。今季初出場、リーグ戦初ゴール…。若きドリブラーがやるべき事は山のようにある。【湯浅知彦】