<J1:大宮0-2川崎F>◇第12節◇19日◇NACK

 川崎Fが、新体制となって初の完封勝利を飾った。風間八宏監督(50)の初采配となった4月28日広島戦から今月16日のナビスコ杯・浦和戦まで、公式戦5試合で14失点と守備が課題だったが、初めてゼロに抑えた。指揮官は「少しずつチームになってきている。選手が自分の距離感で戦えるようになっている」と手応えを語った。

 前半19分に、ボランチのMF稲本が左足内転筋の違和感でベンチに下がった。アクシデントにも動じず、選手は必死に体を張り、13本のシュート、11本の直接FKを仕掛けてきた大宮の攻撃をしのいだ。後半14分には、大宮FWラファエルのヘディングをGK西部が横っ跳びで好セーブ。同22分にMF大島のゴールで先制するとリズムに乗り、攻撃に転じた。日本代表MF中村は「(無失点は)感慨深いです。散々、失点が多いって書かれてましたから」と言って報道陣を笑わせた。

 筑波大時代の同級生でもある大宮の鈴木監督との対決で、今後に向けて大きな1勝を挙げた風間監督は「まだまだピンチやミスもある。その辺を高めていきたい。これを通過点にしたい」と気を引き締めた。公式戦3試合ぶりの勝利となったが、得点を挙げたのも3戦ぶり。攻撃的な風間サッカーもよみがえってきた。【由本裕貴】