FW大前元紀(22)が、清水に96年以来16年ぶりの栄冠をもたらす。1日、鹿島とのナビスコ杯決勝に向けて完全非公開で約1時間半の調整。練習後のミーティングを終えると、落ち着いた表情で決意を口にした。「優勝しか考えてない。そのためには自分が点を取らないといけない。試合に出ている以上、結果を残さなければいけない」。

 今季、鹿島には抜群の相性を見せている。5月のホーム戦では後半30分にFW高木俊幸(21)のクロスを豪快にたたき込んだ。前哨戦となった10月27日のアウェー戦でも同点ゴールを許した直後の前半44分に頭で決勝点を決めた。公式戦3戦2発。大前は「個人的には良い印象が残っている」と、手応えを口にする。

 大分の前に準優勝に終わった08年。大前はスタンドに居た。予選リーグでは3試合に出場したが、決勝ではメンバー外。チームも敗れ、悔しさだけが残った。「自分の力で払拭(ふっしょく)したい。変な気負いもないし、やるべきことやれば結果はついてくる」。エースとして国立のピッチに向かう。【前田和哉】