<J1:仙台1-1甲府>◇第1節◇2日◇ユアスタ
仙台がアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に続き、Jリーグのスタートも勝ちきれなかった。後半4分にCKをDF渡辺広大(26)が頭でたたき込んで先制したが、27分にミスから失点。終盤は猛攻を仕掛けたものの、2点目が遠かった。過密日程、厳しくなる相手のマーク、故障者続出…。過酷だからこそ、成長できるシーズンが始まった。
手倉森監督は現状を冷静に分析していた。「我々はまだ横綱じゃない。最初から最後まで押し込めれば理想だけど、J1での戦い、押し込まれることもある」。立ち上がりから甲府の素早いプレスにはまってしまった。左足首捻挫の角田の代役でボランチに入った松下はボールを自由に持たせてもらえず、左サイドバックの和田は裏のスペースを再三えぐられて攻撃参加もままならない。J2を制して乗り込んできた相手のパワーに、間違いなく苦しんでいた。
後半4分、梁の右CKを渡辺が左サイドネットへ突き刺して重苦しさを振り払った。「梁さんのボールが素晴らしくて、頭を突き出しただけ」。劣勢の時間帯を無失点でしのぎ、得意のセットプレーで先手を取るあたりは貫禄すら漂った。それだけに、27分の失点は悔やまれる。放り込まれたボールに対して両センターバックの対応が中途半端になった。石川直は試合後「もったいなかった」と何度も繰り返した。
悲願のタイトルを目指す13年はACL、Jリーグともに歓喜の船出とはいかなかった。昨年準優勝の仙台に対し、周囲が研究してくるのは当然。太田が「いい形がほとんどつくれなかった」と振り返り、佐々木も「引かれると攻め手がない。もっとボールを動かして、相手を動かさないと」と指摘したように、今季目指す多彩な攻撃サッカーはまだ発展途上でもある。加えて試合前日に角田の欠場が決まるなど、ケガ人も多数。その中で最低限の勝ち点は拾った。シーズンはまだ始まったばかり。悔しさを糧に、高みへはい上がっていく。【亀山泰宏】



