J2に“仁義なき戦い”が勃発した。リーグ2位の神戸が、J1昇格争いの最大のライバルとなる首位G大阪のエースFWレアンドロ(28)の獲得を検討していることが14日、分かった。Jリーグの移籍市場が開く7月の補強に向けて水面下で調査を始めた模様で、関係者が「神戸が獲得の準備に動いている」と明かした。J2とはいえ、首位争いを繰り広げているクラブが、宿敵のエースを引き抜くのは極めて異例だ。

 同選手は保有権を持つアル・サッド(カタール)から期限付き移籍中で、今月末で契約満了になる。ここまでJ2得点ランク2位の12得点を挙げており、G大阪側も慰留に動いていたが、最近になって本人が退団の意向を示していた。神戸はMFエステバン、FWポポ、マジーニョと既に外国籍枠が埋まっている状況。登録枠が空き次第、本格交渉に入るものと見られる。

 レアンドロは08年までの2年間、当時J1の神戸に在籍した経緯がある。09年にG大阪が“強奪”。その後、中東移籍をはさんで、昨季途中からG大阪にレンタル移籍で復帰していた。神戸が獲得に成功すれば事実上の“仕返し”になる。J2場外戦に目が離せなくなってきた。

 ◆レアンドロ(本名レアンドロ・モンテーラ・ダ・シルバ)1985年2月12日、ブラジル・サンパウロ州生まれ。99年に14歳でコリンチャンスとプロ契約し、ナシオナル、サンパウロを経て05年9月に大宮へ。J2山形、神戸、G大阪と渡り歩き09年8月からカタール1部アル・サッドへ。昨年2月に同国のアル・ラーヤン、同年6月からG大阪に期限付き移籍。09年のアジア・チャンピオンズリーグ得点王。176センチ、68キロ。