清水は26日、三保グラウンドで明日28日に迎える次節ホーム甲府戦に向けて約2時間の調整を行った。右肩の脱臼で前節横浜戦を欠場したDF平岡康裕(27)が、2試合ぶりに先発することが濃厚。患部の状態も良好のようで「意識してやっていきたい」と、9試合ぶりの完封を誓った。世界文化遺産登録後、初開催となる「富士山ダービー」を制し、終盤戦を前に勢いをつける構えだ。

 順調な回復ぶりが、充実した表情から伝わった。非公開練習後、取材に応じた平岡は「多少の不安はあるけど大丈夫。最近は勝った試合でも完封がない。復帰戦で完封して、そろそろすっきりしたいですね」と、2日後に迫った甲府戦への意気込みを笑顔で語った。

 平岡は、14日の名古屋戦で右肩を脱臼した。試合後に病院へ直行し、続く21日の横浜戦は欠場。甲府戦を見据えてリハビリに専念した。22日に全体練習に合流すると、主力組で調整を続けてきた。アフシン・ゴトビ監督(49)も「いつも通りだ。何も問題はない」と、GOサイン。定位置センターバックで2試合ぶりの先発が確実となった。

 体だけでなく、頭の中の準備もできている。欠場したアウェー横浜戦は、チームに同行せずに自宅で観戦。同時に、復帰に備えて浦和-甲府戦をチェックした。平岡は「きっちり守ってから、(FW)パトリックを起点としたカウンターに注意が必要。ただ、攻めている時のリスクマネジメントさえしておけば問題はない」と、力強い言葉を並べる。

 5月の前回対戦では、1点リードの後半27分に微妙な判定で一発退場。結果は2-0で勝利したものの、反撃に耐えるチームに“穴”を開けた。「迷惑をかけてしまったことは間違いない。今回は完封だけでなく、セットプレーから点も取って借りを返せれば」と平岡。ここまでチーム2位タイの4得点、攻撃でも存在感抜群の平岡が、チームを完全勝利へ導く。【前田和哉】