<天皇杯:仙台1-1(PK3-1)水戸>◇3回戦◇13日◇ユアスタ
J1の面目を保った。仙台がJ2水戸にPK戦の末に辛勝した。前半に早々と先制を許したが、15分にFW赤嶺真吾(29)が同点弾。延長戦でも決着がつかず、PK戦ではGK林卓人(31)が3人目のキックをセーブするなど、水戸は3人が失敗。仙台は全員がきっちり決め、3-1で手倉森誠監督(45)の退任決定後初の公式戦を白星で飾った。4回戦以降の組み合わせは、20日の抽選会で決定する。
苦しい苦しい試合を、林が救った。1人目は決められこそしたが、左に跳んだ反応はバッチリ。「あれで手応えがあったんじゃないか」(手倉森監督)。2人目が枠外、3人目は左に跳んで完璧にストップ。結局逆を突かれたのは、左に外れた最後の4人目だけという貫禄勝ちだった。「(試合後の)ここで言って伝わる感覚でもない。(しいて言えば)ギリギリまで動かないのが鉄則。いい集中力で臨めた」。プロフェッショナルな守護神らしく、淡々と振り返った。
チームは立ち上がりから良くなかった。相手の強烈なミドルシュートを林が立て続けに防いだが、直後のCKから失点。すぐさま赤嶺がシュートのこぼれ球を押し込んで追いついたものの、最後までペースが上がらなかった。手倉森監督は「パスワークに重さがあった。試合翌日のリカバリーなしで(19日の)名古屋戦を迎えるのを見越して、今週はトレーニングに負荷をかけていた。そのリバウンドがきた」と原因を指摘する。最悪の展開もあり得ると想定し、前日12日の練習後に林を呼んでじっくりと話し合った。その中で「PK戦も覚悟しておいてくれ」と伝えていたという。
10日に手倉森監督の16年リオ五輪を目指すU-21日本代表監督就任が正式に決まり、迎えた初めての公式戦。スタンドには「ハイな気分で天皇ハイ
メダルの前にカップを奪え」と指揮官得意のダジャレに絡めた横断幕が掲げられた。林は「タイトルを取れれば、監督のキャリアにとっても、選手にとっても大きい。みんなで勝ち取れれば」と恩師の有終を飾る頂点を見据えた。【亀山泰宏】



