<天皇杯:浦和2-3山形>◇16日◇3回戦◇駒場

 圧巻の3発でJ1撃破だ!

 J2山形が浦和に競り勝ち、4回戦進出を決めた。序盤から効果的なプレスから主導権を握り、前半39分にMF伊東俊(25)のゴールで先制。1-1の後半22分にMF宮阪政樹(24)、2-2とされた直後にはMFロメロ・フランク(26)がゴールを奪い、赤い悪魔を沈めた。4回戦の組み合わせは20日に決定する。

 山形の攻撃的サッカーが、浦和を黙らせた。序盤から「相手がどこであれ、ファーストディフェンダーをはっきりさせて自分たちから仕掛けていこうと思った」という西河の言葉通り、敵陣から猛然とプレッシャーをかける。黄色い圧力に、赤い最終ラインはGKにバックパスを送り続けるしかなかった。25分にはセンターライン付近でボールを奪った伊東がドリブルでゴール前まで独走。その後も立て続けにショートカウンターから決定機を作り、ゴールは時間の問題だった。

 39分、高い位置でボールを奪うと林が相手を引きつけて最後は伊東。J2の戦いでは消されていたスペースを存分に生かし、1-1とされた後半も山形イレブンが躍動した。22分、こぼれ球を拾った宮阪が右足でミドルシュートを豪快に決めて勝ち越し。リーグ戦で出場機会に恵まれない中でも、全体練習後に居残りで30分間の走り込みをするなど陰で努力してきた男が復活のゴールにほえた。

 何度追いつかれても、攻撃の手は緩めない。34分には今度はフランクが個人技で浦和を翻弄(ほんろう)し、3点目を奪ってみせた。信じて、貫いてきた山形のスタイルはJ1相手にも通用することを証明した。

 勝ち越しても、守りには入らない。前線からのプレスを継続させるべく、守備力のある山崎と万代を投入。J1のプライドをかけて前がかりになった浦和の攻撃を体を張って防ぐ。最後は10年間在籍した古巣との戦いとなった堀之内を投入。敵地駒場に集まったサポーターと“ジャイアント・キリング”の喜びを分かち合った。【鹿野雄太】