<J1:仙台3-3浦和>◇第31節◇10日◇宮城ス

 根性ドローだ。仙台がホームで浦和と壮絶な打ち合いの末、引き分けた。前半2分にFWウイルソン(28)のゴールで先制しながら2度のリードを許す苦しい展開。それでも後半ロスタイム、DF石川直樹(28)が劇的な同点ゴールを突き刺し、難敵浦和から勝ち点1をもぎ取った。ベガルタらしい土俵際の粘りを見せ、次は16日、天皇杯4回戦の清水戦に臨む。

 後半ロスタイムまでは負け試合だった。先手を取っても、追いついても、流れをつかめない。手倉森監督が「どんな状況でも勝つという執念を示す」と意気込んだ今年最初で最後の宮城スタジアムでの一戦は、仙台らしくない展開で進んだ。前半2分、石川直の左クロスを赤嶺が落とし、ウイルソンのチームファーストシュートで幸先よく先制した。しかし、わずか4分後。石川直がゴール前で梅崎にかわされ、あっさりと追いつかれる。31分にはCKのこぼれ球を興梠に押し込まれ、リードを許した。

 後半2分には梁のFKから赤嶺がヘディングでたたき込み、試合を振り出しに戻した。不振にあえいだエースにとって、5月11日の大宮戦以来となる今季3点目。久々の2トップそろい踏みでも、悪いリズムを断ち切れない。ハーフタイムに手倉森監督から「相手の1トップ、2シャドーをうまくつかまえて守備をしていこう」と指示が飛んでいたが、14分に興梠の個人技で再び突き放された。

 それでも、土壇場で執念を示した。後半ロスタイム、ドリブル突破した武藤が左からシュート性の鋭いクロス。逆サイドの石川直がダイレクトで右足を振り抜き、値千金の同点弾をたたき込んだ。東日本大震災後、初めて宮城スタジアムで行われたトップチームの公式戦。優勝を争う浦和相手に最後まで諦めない姿勢を示した。招待されていた被災地の子どもたちにも勇気を与えたであろう激闘は、16日の天皇杯清水戦にもきっとつながっていくはずだ。【亀山泰宏】