<ACL:川崎F3-1蔚山現代>◇1次リーグH組◇22日◇等々力

 川崎Fが日本代表候補FW小林悠(26)の「パパ第1号ゴール」などで蔚山(韓国)を下し、09年以来3度目の決勝トーナメント進出を決めた。前半32分に右足で先制弾。長男が生まれたばかりで、2分後に追加点を決めたFW大久保嘉人(31)からも「ゆりかごダンス」を贈られた。H組2位で突破した川崎Fは、5月7日の初戦(ホーム)でF組1位と対戦する。

 父親として、やっと心の底から笑えた。前半32分、小林はペナルティーエリアに入りながらMF中村のパスを左足でトラップ。相手DFをかわしながら右足を振り抜く。ゴール右隅に突き刺さると、あっという間に仲間に囲まれた。そのまま左サイドのライン際に移動し、1列に並んで両腕を左右に振る「ゆりかごダンス」を披露した。

 3月23日のJリーグ東京戦以来、約1カ月ぶりの得点。今月9日に第1子となる長男結翔(ゆいと)君が誕生し、出産に立ち会った小林は、自分で祝砲を決めるまで仲間にダンスの封印を頼んでいた。「自分のゴールで踊れたことが一番です。子供が生まれた意味でもすごく大きなゴールでした」と振り返った。

 2分後には、追加点を決めたFW大久保の呼び掛けで再びダンスを披露。3児の父の大久保から「2回踊ったから、2人目いってもらいましょうか!」と第2子の子作りを期待された小林は「計画的に、まだ無理です」と苦笑した。後半39分にはDF李に顔面を蹴られるファウルを受けながら、最後までプレー。父の勇姿を見せつけた。

 今月上旬の日本代表候補合宿に初選出されながら、辞退する原因となった左内転筋痛も回復し、復帰2戦目での活躍。日本代表に初めて憧れを抱いたのは02年のW杯日韓大会だった。当時高校生の小林は、現在のチームメート稲本が決めたゴールに酔いしれた。その稲本からは「FWなら他のポジションより最終メンバーに入れる可能性はあるよ」とエールを送られた。

 この日は日本代表の和田アシスタントコーチと、日本協会の大仁会長が視察。5月12日のW杯メンバー発表日までの成績次第では、逆転選出の可能性はある。「代表は甘くないし、自分はまだそんなレベルじゃない。その分もっとうまくなりたい」。貪欲に夢舞台へと前進する。【由本裕貴】