C大阪のウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(35)が、苦境にあえぐチームを救う。W杯で中断していたJリーグは今日19日に本格的に再開。ホームで横浜と対戦するC大阪は18日、大阪・舞洲練習場で非公開調整した。W杯で16強進出したフォルランは、大会後初の公式戦出場が濃厚。柿谷がスイス王者バーゼルに移籍し、マルコ・ペッツァイオリ新監督が率いる新生C大阪を引っ張る。

 勝てば中位に浮上し、敗戦なら降格圏が迫ってくる。フォルランにとって、W杯後初の公式戦は重要な意味を持つ。非公開練習を終えると誰よりも早く、クラブハウスの裏口からこっそりと宿舎ホテルへ移動するバスに乗り込んだ。C大阪はJ2降格圏の16位G大阪と勝ち点1差の13位。ドッシリと座席に深く腰を下ろすと、通訳を介してコメントを残した。

 「厳しい戦いになることは間違いない。ただ我々は、たとえ内容が悪くても絶対に勝ち点3を取る試合にしなければいけない」

 W杯は1次リーグでコスタリカ、イタリア、イングランドが入る死の組を2位突破。決勝トーナメント初戦でコロンビアに敗れはしたが、世界16強に進出した。フォルランは2試合に先発し無得点。まだ休養明けで14日に合流したばかり。6月に就任したペッツァイオリ新監督は「90分間プレーすることはない」と話す一方で「すべては試合前までに決めたいし(出場時間は)試合の中で決まる」と説明した。

 日本代表FW柿谷がバーゼルに移籍し、W杯後の初戦となった15日川崎F戦で一発退場したFW南野も出場停止。攻撃陣の層が薄く、川崎F戦でベンチを外れたフォルランが強行先発する可能性もある。

 W杯中断をはさみ、リーグ戦は3連敗中だ。チーム事情は苦しく、守備の中心であるDF藤本が左膝内側靱帯(じんたい)損傷で離脱。同監督は急きょ、この日の練習を就任後初の完全非公開にしたほどだった。就任初勝利を目指す指揮官は「注目されなかった選手はこれからがチャンス。成長を促したい」。まずは連敗をストップ。C大阪は世界的エースのフォルランに導かれ、夏場に完全復調する。【益子浩一】