<甲府0-0仙台>◇第19節◇9日◇中銀スタ

 仙台はアウェーで甲府と引き分け、リーグ再開後5試合勝ちなしとなった。0-0の後半40分、新外国人MFハモン・ロペス(25)がデビュー。来日から約1カ月半、ウクライナの前所属クラブから移籍証明書が届かずピッチに立てなかったが、ようやくスタートラインに立った。

 期待の新助っ人が、ついにベールを脱いだ。後半38分にベンチに呼ばれると、2分後にFW武藤との交代で登場。紅白戦と同じように2トップの一角に入った。ファーストタッチは屈強なフィジカルを生かし、スローインを相手を背負いながらMF野沢にパスをつないだ。終盤のパワープレーでも185センチの高さで相手DFに競り勝ち、前線のターゲットになった。

 長すぎる1カ月半だった。6月25日に来日し、29日に合流。7月19日のリーグ再開初戦に照準を合わせ、準備を進めてきた。チームが午前練習で終わっても、午後からコーチ陣とグラウンドに現れて走り込んだ日もあった。仲間の名前や呼び名も覚えた。だが、前所属クラブから移籍証明書が届かず、公式戦に出られない。寂しそうな表情を見せる時もあったが、3日に練習試合で実戦初得点。選手登録のめども立ち「自分では何もできないので、本当につらかった。でも、そろそろいい知らせがあると思うよ」。笑顔も戻り、体のキレも格段に増した。

 ロスタイムにはゴール右寄りから左足を振り抜いたが、DFにブロックされ得点は奪えなかった。ハモンは「短い時間だったけど、出場できてうれしかった。次は勝てるよう頑張りたい」と安心した様子。渡辺監督は「日本のサッカーの特徴をつかんでいけば、力になってくれると思う」と期待を寄せた。