J2山形が緊急事態を乗り越え、6日の水戸戦から9日間で3試合のアウェー3連戦に臨む。前節ホーム湘南戦でセンターバック(CB)西河翔吾(31)が左足第3指基節骨を骨折。全治3カ月と診断され、手術を受けたことが3日、発表された。U-23韓国代表のジュヨンもアジア大会に招集され、CBが手薄になった。石崎信弘監督(56)はこの日の紅白戦で、複数選手の同ポジション起用を試した。

 西河の今季リーグ出場が危ぶまれる中、DF當間建文(25)の6試合ぶり先発が確実になった。今季、開幕から7戦連続出場。第24節まで15戦で先発も、その後は出場機会はなかった。チームの危機を救うべく、當間は「0に抑え続けたい」と完封を誓った。

 前節は開始3分に先制したが、クロスへの対応が遅れて1-3の逆転負け。石崎監督は「マークの3原則が守られていない」と課題をあげた。3原則とは「(1)相手選手と自陣ゴールを結ぶ線上の中心に位置(2)相手と球が同時に見える場所に位置(3)相手に渡る前に球を奪えてウラを取られない距離に位置」。石崎監督は「原則なんだから誰がやっても守らなければならない。けが人は想定内。チャンスだと思って頑張ってほしい」と當間に期待した。

 チームは13戦を残して11位。プレーオフ圏の6位と勝ち点は6差と、生き残りへの正念場だ。今季2得点を決めている當間は「求められていることを全力で90分間続けたい。得点も狙いたい」。9月攻勢の起爆剤になる。【佐々木雄高】