<J2:磐田3-1岐阜>◇第36節◇11日◇ヤマハ

 名波浩監督(41)就任から3戦目となるJ2磐田は、エースFW前田遼一、MF松井大輔の「33歳コンビ」の活躍で岐阜に快勝した。前半26分、前田のシュートのこぼれ球を松井が押し込み先制すると、同35分には前田の右足シュートで追加点。後半も前田のパスを松井が押し込み試合を決めた。もっとも、2位松本も勝利し勝ち点差は8のまま。名波ジュビロは次節熊本戦で初の連勝とアウェー初勝利を狙い、2位に食らいつく。

 エース前田がストライカーの本領を発揮した。1得点“2アシスト”と全得点に絡む活躍でチームを勝利に導いた。マン・オブ・ザ・マッチは2得点の松井。前田の好アシストからの得点だけに、松井が「遼一にはウナギをおごります」と宣言すると、前田は「しっかりごちそうしてもらいます」と笑顔で応えた。

 名波監督は就任直後から、前田にシュートへの意識を植え付け、さらに「キャリアもあるし、上に立って下に伝えていくべき」とキャプテンマークを託した。前田が33歳の誕生日を迎えた9日、指揮官は「まだまだうまくなる要素はたくさんある。シュートを打ってなんぼ。ストライカーのエゴと、チームの和の中心は別」とシュートへの姿勢を求めた。

 無得点で敗れた前節大分戦はシュート1本。エースは「一番前にいる僕の責任」と反省し、今節での「33歳初弾」で守備陣を楽にすることを誓っていた。この日はミドルシュートなどチーム最多の3本のシュートを打ち、指揮官の期待に応えてみせた。前田は「結果、点に絡めたのは良かった。もっと点を取れるように頑張ります」と話し「これを続けていけるように、しっかりいい準備をしたい」と次節を見据えた。

 試合全体では、シュート数は相手が上回り、押し込まれる時間帯も多かった。松井は「内容は良くなかったかもしれないけど、勝つことが大事」と話し「次戦で連勝することが一番大事。勝ち点3を取り続けて最後は笑えるようにしたい」と2位松本に食らいつく覚悟を口にした。次節熊本戦では名波ジュビロが初の連勝とアウェー初勝利を狙いにいく。【岩田千代巳】