W杯ブラジル大会で話題となった消えるスプレー(バニシングスプレー)が、日本に上陸する。直接FK時にボールの位置と壁の位置を泡のスプレーでしるすもので、Jリーグが11月8日のナビスコ杯決勝・広島-G大阪戦(埼玉)で導入する意向を固めたことが24日、分かった。現在、日本協会の審判委員会に使用を依頼しており、来週中には正式決定する。

 村井満チェアマン(55)は、W杯直後に「無駄な時間を省いて、ファンにもっと長い時間、プレーを見せられるように工夫していきたい」と話していた。スプレー導入は、フェアプレーと実質プレー時間増大を目的としている。蹴る側は、よりゴールに近く、いい角度にボールをセッティングしたい。守る側は、なるべくボールの近くに壁をつくって妨げにしたい。相違する両者の思惑でプレー時間が遅延されることがあったが、その問題は解消される。

 早くからスプレーを使用していた南米の主要リーグに続き、今季からプレミアリーグが導入した。今週から、ブンデスリーガも本格導入する。スプレーは1試合で1~2本使うが、すでに審判委員会は10本程度を確保している。

 ナビスコ杯決勝で効果が証明できれば、来季からはJ1、J2のリーグ戦にも導入する予定。特許などの問題で国内生産が難しく、アルゼンチンの会社からの輸入になるが、村井チェアマンは「年間1600本程度を確保できるか」。世界的に需要が増え、容易ではないが、本格導入が決まれば、よりエキサイティングなプレーが展開できる。