<J1:川崎F2-3清水>◇第31節◇2日◇等々力

 93年のJリーグ開幕以来、1度もないJ2降格の危機にあえぐ清水が、川崎Fを撃破した。05年以来未勝利だった等々力で、アウェーでは4月19日の徳島戦以来、約半年ぶりとなる白星。7月の就任後、アウェー初勝利を挙げた大榎克己監督(49)は「非常に大きな勝ち点3だと思う」と、喜びをかみしめた。

 強気な姿勢が勝利につながった。アウェーでは、失点を警戒し過ぎるあまり、必要以上に守りを固める形になっていたが、この日はDFラインを高く保った。「相手の良さを消すことを考え過ぎていたが、自分たちの良さを出す」(大榎監督)という狙い通り、ホームのように前線から積極的な攻守を貫いた。

 終了間際にはMF本田が高い位置でボールを奪ってカウンター。今季出場27試合すべてが途中出場というスーパーサブ、FW村田が劇的な決勝点を決めた。DF平岡は「ぎりぎりのところだったけど、ラインを高く保てたことが攻撃にもつながった」と振り返った。

 降格圏から1つ順位を上げた。残り3試合でまだ予断を許さないが、勝ち点3を得たことは大きい。村田は「この勝ち点3を無駄にはできない。今日みたいなサッカーができれば、J2に落ちるようなチームではない」と言い切った。

 次節名古屋戦までは、約3週間の中断期間を挟む。残り3試合での残留へ-。鬼門突破で見えた勝利への道筋を明確なものにしていく。【前田和哉】