先週11日に行われたW杯欧州予選イングランド-スコットランド戦(3-0でイングランドが勝利)で、両軍の選手たちがポピー(ケシ)の花のマークが入った黒い腕章をつけて試合を行った。

 これは11月11日の「休戦の日」を記念してのもの。過去の戦争で亡くなっていった人々へ思いをはせる1日として、両国協会が腕章をつけることを決めたという。

 休戦の日の由来は1918年までさかのぼる。第1次世界大戦中の同年、連合国とドイツ軍が休戦協定に調印。11月11日午前11時に軍事行動が停止された。

 その日を記念して制定された祝日だが、現在では第1次大戦だけでなく、その後の戦争で亡くなった人に対してもリスペクトを表す日として定着している。

 ポピーの花は平和や生命力の象徴で、戦争で荒れてしまった土地にも力強く咲くことから、これまでシンボルとして採用されてきた。

 ところが、国際サッカー連盟(FIFA)がこれに物言いをつけた。なんとイングランドとスコットランドを処分するための手続きに入ったという。

 FIFAのルールでは、政治的、宗教的な言葉やイラストなどの入った服装で試合をしてはいけないことになっている。2国はこれに抵触するというのだ。

 だが、個人的にはポピーの花が政治的なメッセージだとは思えない。亡くなった人たちに思いをはせ、もう2度と同じような過ちを繰り返さないように意識することは政治的ではなく、人間として大事なことだ。

 英BBC放送(電子版)によると、両国協会ともに、FIFAからのいかなる処罰に対しても争う用意があるという。

 筆者としては、それ以前に処分自体が下されないことを願っている。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)