日本代表DF内田篤人のシャルケが窮地に陥っている。

 24日に行われたブンデスリーガ第30節のマインツ戦で0-2と完敗し、これでリーグ戦6試合連続の未勝利。ここ10試合を見ても、戦績は1勝5敗4分けで、またそのうち6試合は無得点に終わっている。開幕から20試合の貯金のおかげでなんとか5位をキープしているが、欧州チャンピオンズリーグはもとより、このままでは欧州リーグの出場権獲得すら危うくなってしまう。

 シャルケのホルスト・ヘルトSDは大衆紙『ビルト』に対し、「監督交代の話は一切出ていない」と話しているが、チーム状況を楽観視できない状態であることだけは間違いなさそう。同紙によると、ヘルトSDとロベルト・ディマッテオ監督は25日13時半に緊急会談を開始し、今後の計画について話し合ったという。

 先述のマインツ戦後、敵将のマーティン・シュミット監督に「メンタルとクオリティーで勝っていた」と言われたことが、ディマッテオ監督の心に火をつけたのかは定かでないが、同監督がこの危機から脱すべく下した決断とは、すなわち“合宿”だった。

 シャルケの面々は27日から30日までの4日間を、ゲルゼンキルヘンから北東に100kmほどの町、ハルゼビンケルの某4つ星ホテルに滞在しながらトレーニングをこなしていくという。またディマッテオ監督は1人部屋を希望し、原則的に立ち入り禁止とする見込み。さらに選手1人1人との面談も予定している。

 ビーレフェルト郊外の同ホテル近くには湖や小川があり、またゴルフ場も作られているため、普段は主に一般観光客の保養所として利用されているだけでなく、結婚式の会場になることも決して少なくない。しかしこの4日間だけは、そんな牧歌的で幸福感に満ちた雰囲気がこのホテルから完全に消し去られることになるだろう。