サッカー日本代表のG大阪MF遠藤保仁(31)が、今夏にもセリエA(イタリア1部)に移籍する可能性があることが7日、分かった。今季終了後にG大阪との契約が満了になる遠藤に対し、名門ユベントスやラツィオなどが興味を示していることが判明。昨年のW杯南アフリカ大会後にジェノアからオファーを受けるなど、イタリア国内で遠藤の評価が急上昇。夢の欧州移籍が、現実的になってきた。

 遠藤がカルチョの国・イタリアに渡る可能性が浮上した。日本代表として出場し、優勝した1月のアジア杯での活躍により、イタリア国内での評価が急上昇。現在リーグ4位で来季の欧州チャンピオンズリーグ予選出場圏内のラツィオ、同7位のユベントスなど名門クラブが興味を示しているという。正式オファーが届けば、早ければ今夏の移籍市場で夢の欧州挑戦が実現する。

 アジア杯では冷静な判断力と広い視野で、王者に返り咲いた日本を支えた。1次リーグ初戦から決勝オーストラリア戦まで、全6試合に先発出場(うち5試合がフル出場)。日本代表ザッケローニ監督が遠藤の高い能力を再認識し、母国イタリアに凱旋(がいせん)した際、各クラブの強化担当者にセリエAでも十分に通用することを伝え歩いたという。ラツィオは01~02年、ユベントスは10年にザッケローニ監督が指揮を執ったクラブ。関係者は「現時点でもイタリアの話は聞く。ザック監督の推薦もあり、夏の市場で本格的な動きが出てくるのではないか」と明かした。

 遠藤を巡っては、16強入りした昨年のW杯南アフリカ大会後にも、かつてカズ(現横浜FC)が在籍したジェノアから正式オファーを受けた経緯がある。金銭面で破談になったが、同時期にはボローニャも獲得に興味を示した。その際、遠藤は「イタリアの(守備的)スタイルは好きではない」と話している。だが、インテルに加入したDF長友に刺激を受け、セリエAに興味を抱き始めたのも事実だろう。

 G大阪との契約は今季終了後に満了になるため、夏以降に欧州含む複数クラブからオファーを受けるのは確実だ。31歳という年齢的にも移籍金は割安になる可能性が高い。その一方で、1億円超といわれる年俸を払える名門のラツィオやユベントスが獲得に本腰を入れれば交渉はスムーズに進むことも考えられる。