東日本大震災で福島県南相馬市の実家が被災した男子マラソンの今井正人(30=トヨタ自動車九州)が11日、世界選手権(8月・北京)代表に初めて選ばれた。

 震災発生から4年の節目と重なり「自分にとっても重要な日。使命があるんじゃないかと思う」とかみしめるように話した。

 順天堂大時代に箱根駅伝の山上りの5区で活躍し「山の神」と呼ばれた。だがマラソンは失敗の繰り返し。10回目となった2月の東京マラソンで、2時間7分39秒で日本勢最高の7位に入った。代表発表が11日に設定されたことは意識していたと言う。「みなさんに前向きになってもらえるようなマラソンをしたい」と意気込んだ。

 実家の1階部分は津波で流され、トロフィーなど多くの記念品を失った。両親は今も茨城県で避難生活を送る。「たくさんの方に支えられている。結果を出して恩返しをしたい気持ちが一番強い」と言葉に力を込めた。