陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(19=東洋大)が、アジア最強スプリンターを撃破する。日本陸連は24日「セイコーゴールデングランプリ川崎」(5月10日、等々力陸上競技場)に桐生と9秒93のアジア記録を持つフェミセウン・オグノデ(23=カタール)がエントリーしたことを発表した。

 桐生にとって、最高の舞台だ。オグノデは昨秋の仁川アジア大会でアジア新記録を樹立して金メダル。同大会をケガで欠場し、リハビリ中だった桐生は、その走りを目に焼き付けた。「さすがに落ち込んだ」と振り返った悔しさを糧にして、今年3月に追い風3・3メートルの参考記録ながら9秒87の大爆発。今月19日の織田記念国際では同着2位の10秒40に終わったが、9秒台への再挑戦を誓っている。

 目標である世界大会での決勝進出へ、アジアのライバルに勝つことは避けて通れない道だ。同大会には自己記録10秒00の張培萌と同10秒06の蘇炳添(ともに中国)も参戦。山県、高瀬と日本勢も一線級がそろう。さながら「アジアNO・1決定戦」となった同大会になる。