陸上男子短距離の高瀬慧(26=富士通)が、海外代理人と世界に打って出る。日本陸連は29日、新潟市内で世界選手権北京大会(8月22日開幕)代表の23選手を発表。日本選手権100メートルで初優勝した高瀬は、100メートルと200メートルで代表に入って「ファイナルを目指していきたい」と意気込んだ。

 本気度の表れが、海外代理人との個人契約だ。この日、アイルランド人のレイ・フリン氏と日本選手権直前に契約したことを明かした。同氏は世界選手権の200メートルで2大会連続銅のウォラス・スピアモン(30=米国)を抱える代理人。高瀬は「海外で格の高いレースに出て、自分の長所、短所を確認したい」と説明した。

 陸上界の代理人とは、選手と大会主催者を仲介してレース出場を確定させる。最近は実業団など団体単位で代理人と契約することが一般的。個人が海外代理人と直接契約することは異例だ。高瀬は7月にフリン氏の仲介で欧州遠征を行って、3レースに出場予定。世界最高峰のダイヤモンドリーグ出場を目標に、実力を磨いていく構えだ。「海外のカレンダーを基準にして、強くなりたい」。26歳が本場でもまれて、夏の北京で爆発する。【益田一弘】