「最強市民ランナー」川内優輝(28=埼玉県庁)が29日、11月1日のニューヨークマラソン出場のため渡米した。3度目となる世界最高峰レースに、「福岡以上にメンバーは強い。超一流の速さを体感して、福岡に良い流れでいきたい」。16年リオデジャネイロ五輪選考会となる福岡国際マラソン(12月6日)に向けた最後の42・195キロを控え、高揚気味に見定めた。

 福岡にも強豪は集結する。現世界記録保持者のキメット(ケニア)など、自己記録で川内を上回る選手は7人。こちらも強力布陣だが、川内の分析ではニューヨークが上。より難しい「予行演習」で結果を出せば、難易度が下がる本番の好成績も見えてくる。

 故障も癒え、勝負の秋を迎える。ロンドンで逃した五輪切符をつかむには、福岡で日本人3位以内が最低条件だが、「表彰台なら世界で戦えるということ。それで選ばれなかったらどうしょうもない」。日本人同士の争いに興味はない。しっかり米国で自信をつかみ、世界と渡り合うだけだ。