競歩の火を消すな! リオデジャネイロ五輪代表選考を兼ねた日本選手権20キロ競歩(神戸・六甲アイランド甲南大周辺コース)を翌日に控えた20日、神戸市内で会見が行われた。昨年3月に鈴木雄介(28=富士通)が世界記録を出したことで、競歩では異例の報道陣約70人が集まった。

 会見の1時間半前。まだ人がまばらな大部屋を見て日本陸連関係者はそわそわ。「本当に来るんですかね…」。同選手権前日会見の報道陣は昨年が約10人、14年はわずか1人。だが開始時間には席が埋まり、同関係者は「競歩で記憶にない」と驚いた。わずか2年で報道陣が70倍に急増した。

 立役者の鈴木はけがでリオ絶望的。残された選手に、競歩の浮沈がかかっている。

 大勢に囲まれ、汗が止まらなかった前日本記録保持者、高橋英輝(23=富士通)は「去年まで雄介さんの力を借りていた。自分でレースをコントロールしたい」。ロンドン五輪代表の藤沢勇(28=ALSOK)は「彼(鈴木)のおかげで盛り上がったものを引き継いでいきたい。20キロの質が落ちたと言われないように」。日本人上位3人が選考対象になる。【益田一弘】